場外乱闘、もあり。

50代中小企業崖っぷちのオヤジです。2015年体調を崩し長期入院。カラダもギリギリ。土俵際、俵に足の親指1本からの逆転を目指します!!

ラストシーンで妻より先に逝こうと決めました

たまに、洋、和を問わず古い映画を鑑賞します。

会話を運ぶ上で、既知であることが前提となる映画や名曲、名著作というものは多数存在します。マニアックなものは別にして、私が商談でお相手する年代のビジネスマンの場合、ポピュラーなものとしては、高倉健さんの映画やベートーベンの有名どころ、夏目漱石の著作といったところでしょうか。中でも比較的年配のクライアントと話す際は、映画、特に邦画ですと黒澤明監督の作品、小津安二郎監督作品といったところです。で、その小津安二郎監督作品、恥ずかしながら世界的名作とされる東京物語は鑑賞したことがありませんでした。いや、あります、かなり以前に鑑賞したことがあります。いわゆる名画座のような場所でした。ところが……覚えていません。寝ていました。(zzzzz) 暗い画面、展開のトロさ、登場人物はいちいち正座して挨拶するし、ここまで多分始まって15分くらいでしょうか。なんだこりゃ~の世界でした。そして、自ら暗転、周りの人の立ち上がる気配で目覚めました。


時の流れは、若造をすっかりオヤジに仕立て上げました。見た目だけではありません。あの時とは異なり、画面に引きづりこまれる自分がいました。

そうそうそうなんです、期待すればするほど人生ってうまくいかないのです。1シーン1シーンが胸に迫り、染み入りものがあります。何かが違う、あっそうだこれが、世界OZUたる有名なローアングル、う~ん独特です。もうレビューされまくっておりますので、このあたりにしますが、私が、何とも心揺れすぎて固まってしまったのは、ラストシーンです。うううあのラストシーン、語らずにこれほどの寂寥感を抱え込ませるって………耐えれない……残されることに。


妻より先に逝こうと心に決めました。
でも何度も書きますが、計画通りにいかないのが人生です。もし、順が逆になってしまった場合、人生は残酷です。でも生きなければならない。生きていくのです。小津安二郎監督作品のメッセージとは、コレではないだろうか、と私は解釈しております。

この寒さの向こうには、旅立ちの季節が控えています。旅立ち=別れ  どんな別れも見送る方がツライのは、今も昔も関係ないですね。

東京物語 ニューデジタルリマスター