浮世絵から京アニへの系譜
一体いかほどの私財をこのコレクションの投じたのだろうか?ただただシンプルにそう思いました。同時に大富豪が最後に行き着く先がアートである理由も腑におちました。それは金銭的価値を超えた名声が未来永劫忘れることなく刻まれるということなのです。命はいつか果てますが、自らの分身である名前は語り継がれていく……
大阪市立美術館で開催されている「メアリー・エインズワース 浮世絵コレクション」に足を運びました。
メアリー・エインズワース
1867年 イリノイ州に生まれる。
1870年(3歳)一家でイリノイ州Molineに居を構える
1876年(9歳)フィラデルフィア建国100年記念万博
1884年(17歳)兄・ハリー、オーバリン大学を卒業
1885年(18歳)メアリー、オーバリン大学に入学
1889年(22歳)オーバリン大学を卒業(文学士)
1890年(23歳)実母が逝去 卒業後は実家で家事を担う
1893年(26歳)シカゴ万博日本館にて浮世絵が展示される。
1906年(39歳)日本へ旅行 シアトル→横浜へと船旅
1910年(43歳)父・ヘンリーが逝去、財産を分与される
1931年(64歳)ハワイへ旅行
1950年(83歳)2月18日 メアリー逝去。5月下旬 母校であるオーバリン大学に
コレクションが寄贈される
この方 この道の方でした知られていなかったようです。今回初めての里帰りということで、これまで千葉、静岡で開催されてきました。今回の大阪開催で日本でのお披露目が見納めとのこと。ハッキリ言って浮世絵ってそう興味ないのですが、このコレクションには希少な浮世絵初期の作品が含まれるとのこと、全盛期の北斎や広重、写楽というメジャーどころしか知らない私は,そのルーツ的なモノに興味を抱いたというわけです。
突然の思いつきだけに前売り券も手に入れておらず当日券を窓口にて購入、もっと早い時期なら最安1000円で前売り券を手に入れられるのに…….と計画性のなさにプチ反省しましたが、こういう時不思議とついているのが私です、何やら人が列を作っているので向かうと「初期浮世絵から黄金期へ エインワース・コレクションに見る浮世絵の展開」という千葉美術館副館長の方の講演会の整理券が配布されているところでではありませんか!! ためらうことなく最後尾についていると定員150名のところほぼラストで整理券を入手することができました。ハイ、もってます。^^
今回の展示はコレクションの中から選りすぐりの200点とのことですが、メアリー女子のコレクション自体はなんと1500点とのこと!!!!!!! 個人で、何これ!!!今回展示の200点だけでもじっくりと喰い入るように鑑賞していると、時間が足りません。
もしこれから行かれる方がいらっしゃたら、時間は十分に確保してください。クライマックスの歌川広重のコレクション艦隊はラストのスペースです。
しかし39歳の時に日本に旅行に来た時に浮世絵に出会い、コレクションを始めたって…….そもそも1906年に海外旅行に出かけられること自体が大富豪の証ですね。一体女史は異文化の象徴である浮世絵のどこに魅力を感じたのか気になるところであります。それともう一つ1500点の国宝級浮世絵コレクション,下衆な勘ぐりですが一体いくら使ったのでしょう????💰💰💰💰💰
いやいや💰💰💰💰💰よりも時代を超えた鑑識眼のメアリー・エインズワースさん、最良の保管状態で管理していただいたオーバリン大学、感謝です。
日本のアート、実に素晴らしいです!!!世界の誇りです。日本人であることを自慢したくなります。初期のシンプルな墨摺絵から艶やかな錦絵の興隆、この系譜は世界中から賛辞の絶えない京アニの作品にも脈々と受け継がれているに違いない、そう信じて疑いません。