場外乱闘、もあり。

50代中小企業崖っぷちのオヤジです。2015年体調を崩し長期入院。カラダもギリギリ。土俵際、俵に足の親指1本からの逆転を目指します!!

幽体離脱のススメ

19歳夏のある日、北の大地で幽体離脱を体験しました。かれこれ40年以上前の出来事です。大学の友人でありバイクでは先輩にあたるK君と北海道ツーリングに出かけました。詳しいことは忘れてしまいましたが、当時の自宅のある大阪から舞鶴港まで高速&国道を走り、そこから小樽までフェリーそして道内半周というプランでした。バイトで貯めた資金で手に入れた新車のsuzukiGSX250を駆っての初のロングツーリングです。心ウキウキ、ところがこのウキウキが裏目に出ました。宿は当時のことなのでユースホテル(今でもあるのかユースホテル?)を利用、フェリーでの約1日半の海路もこれから始まるロングランの興奮で熟睡できず、1日目のユースホテルでも旅人同士のふれあい(←もはや死語か)があり、夜中まで語り明かす日々が続きました。

 

確か3日目だったと思います。果てしなく続くのか、と思われるような一直線の道路で走りながら居眠り、そのままジャガイモ畑にバイクもろとも突っ込んでしまいました。激しく暴れる前輪の動きにハッ!!となって目を見開くと、目の前に道路と畑の境目群生している背の高い草の塊が………後は激しい衝撃と同時に軽くジャンプ、黄土色の大地と濃い緑の重なった絨毯の上に放り出される…まだ握っているハンドルを放そうとした瞬間を最後に…そこから意識が飛んでしまいました。

 

 

無の時を経て、意識が戻りました。K君が私を呼ぶ声がします。いつもは低く,時によってはとらえにくい彼の声も場合が場合だからでしょうか、えらくうわずって聞こえます。でも聞こえてくる場所がおかしい、ええ?どこから、はあ??下から、みんな下にいる。オイオイ俺が宙に浮いているではないか!!!!!!!! ナニコレ!!!!

だいたい電柱の半分くらいの高さか。K君が抱きかかえているモノって、オレ、オレ、じゃないか!!!!! ヘルメットを脱がそうとしている。その様子を3人の人が息をのむような顔つきで覗き込む、たまたま対向車線&後ろを走っていたドライバーかと思われる。

 

しかし、人(この場合、オレだけど)が意識を失いヘタっている姿って、用済みになって海岸に流れついたマネキンみたい、と冷静見ている自分がいました。

 

この後、また無の時間、そして次に目が開き最初に目に入ってきたのは、泣きそうな顔で覗き込む汗にまみれたK君の顔。幸い叩きつけられた地面が柔らかい土だったため大事に至らず、バイクもバックミラーが折れた程度でおさまりました。奇跡的に走行に支障なく次の町まで走り細かいところを直して貰った程度で済みました。

 

この時以来少し高い位置から自分を客観的に観察できる視点を手に入れることができました。

 

先週、京都府北部の地方都市へ一泊出張の仕事で出かけたときのことです。お客さまの突然のアポ時間変更で1時間ほどの時間が宙に浮きました。こんなこともあろうかとCD&ギター漁りが目的でハードオフの場所を調べております。ナビで調べると今いる場所から3キロほどなのですぐ社用車カローラのハンドルを握りました。

 

ほどなく店舗発見、楽器コーナーの充実ぶりに目を見開きながらもCDコーナに向かっていると、12弦ギアーを2本並べて試奏している男性が女性スタッフに声をかけているのが目に入りました。

 

ひと通り試奏を終えたような感じです。

「あの、まあいやらしいのだけど、そこのもう1本のほうのそのギターね、少し汚れているので、もうちょっと安くならないかな…いやらしいけどね」

 

いや、カッコ悪いなあーそう感じました。汚れている?いや、新品メインのショップではないのだから。リサイクルショップなんだよ(ーー;)2本いっぺんに買うならいざしらず。このお客、歳のころなら40歳といったところでしょうか。ギター始めたくて小遣い貯めてるいる最中の中学生ではないのです。その汚れも含めての価格なんだよ。中古なんだからで、チラッとみたけど通常使用範囲での汚れではないか。値段はヤマハが約5万円、もう一つの「汚れている方」は2万ちょい。買えよ、それくらい!!

 

案の定、女性スタッフにはけんもほろろに断られておりました。これまたカッコ悪い、この瞬間に女性スタッフにとって彼は招からざる客に格下げとなったことでしょう。

 

自ら「いやらしい」というなら、やめときゃいいのに。

案の定、その人は購入することなくそそくさと立ち去りました。

 

言ったモン勝ち?  いやいや口は災いの元とも言います。

 

 

どれくらいカッコ悪いか、自分を客観的にみることができれは良かったのに。

 

あの夏から40年弱ちょうど街中は監視カメラだらけになりました。よくTVとかでそういったカメラが捉えた映像が流れますが、私があの時,幽体離脱して倒れている自分を見たあの高さ、ちょうどあれくらいの高さなんです。街中のカメラのある位置って。

 

カメラに監視されるより,も先に自分を見つめるもう一つの視点を手に入れたいモノです。

 

人のふり見て我がふり直せ、私もおごることなく、せっかく手に入れた幽体離脱で自分監視をしていきます。カッコ悪いの嫌ですから。