映画「蜘蛛の巣を払う女」またもや画面が寒い。
この映画、夏に観たいと思ったのは前回「ドラゴンタトゥーの女」の感想と同じです。舞台は冬の北欧スウェーデン、暖房がフルに効いている館内とはいえ画面から北風が吹き付けてきそうなので、身震いしてしまいそうです。鉛のような暗くて重い空、凍りついた河。そんな空からも時折弱々しいが薄明るい光が溢れるシーンに、ホッと一息お天道様の偉大さがわかります。北の大陸の人々が太陽を待ち焦がれる気持ちが痛いほどわかります。でもこの冬があるこその北欧カルチャーなのでしょうね。
刺さったセリフ
「過去を引きずるのはブラックホールに捕まるようなもの、近づきすぎると囚われてしまう」
個人的には響いた名言です。よくいる過去の武勇伝のひけらかす輩ってすでにブラックホールにどっぷりということですね。距離感を保つようにしましょう。いいこと学びました。
ラストはまあ、一応解決するのですが………なんか切ない………この儚さ、このミレニアムシリーズのヒットを味わう前に逝ってしまった原作者のことを思うとどことなく通底している気がします。
お日様ギラギラ最高気温35度とかいう日にこの寒々しい画面を見てみたいものです。