場外乱闘、もあり。

50代中小企業崖っぷちのオヤジです。2015年体調を崩し長期入院。カラダもギリギリ。土俵際、俵に足の親指1本からの逆転を目指します!!

視点の違い

中学時代の同窓会で30数年ぶりにS君と再会した。なんせ学年トップの出世頭といってもいいS君、勉強も運動もそこそここなしていたが、地域で有名になるほど突出していたというわけではない。よくある経営者の家系かといえば、そんなことは微塵もない。それよりも私の記憶に残るS君はとにかく授業中に寝るのが上手い!というぐらいしかない。船をこぐなんてとんでもない、机に突っぷす?いえいえそんな私のようなことしません、スースーと寝息を、なんて気配は一切もない。絶妙な俯き加減で教科書に視線を落とし、熟考している姿で鉛筆を握り込んだまま別の世界を旅しているのです。左右&後ろの席の誰もが気付かない、とにかくそういう気配を立てない。

先生の「お〜い、S、俺の目はごまかせんぞ〜」ドスの聞いたA先生の声でやっと周りも気づく、というのが物憂げになる午後の授業の一風景でした。
やはり先生は気づくのだな、隣の俺だってわからないのに…当時、そう思っていたが、これ当然ですね。視線が違う。生徒は黒板の方を見ているが、先生は生徒の方を見ている。見ている場所が違う。

63才の若竹千沙子さんが芥川賞を受賞された。なんとデビュー作とのこと。小説を書き始めたのが50才を過ぎてからだとか。たまに小説を手にするがいつも感じることがプロの作家の視点の多様さ。伊坂幸太郎なんてどうやってこのプロットをひねり出せるのか不思議でならない。

前回の記事の続きのようになってしまうが、優れた経営者にもこれは言えることかもしれない。人とは別のところを見ている。それは斜めだったり、もっと空間的な部分だったり。

 

joegai.hatenablog.com

 

遠いあの時、S君を除く教室の生徒全員は、カクカクの字で埋め尽くされた黒板とどうみても任侠のお方にしか見えないA先生をみるしかなかった。でもS君だけはもっと別のところをみていたのかもしれない。

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