家庭を持って、うん、まあ良かったと思う。①
特に妻とラブラブ💕というわけではありません。内心感謝はしておりますが、長く夫婦とやってきているのでもはやお互いが空気のような存在です。(手垢まみれの表現ですね。^^;)
それよりも、家族、子供を持ったことによって貴重な体験をすることができたことが嬉しいのです。貴重な体験、そう,あのような焦りと緊張と悔しさの入り混じったドギマギカオス感、いま思い出しても変な汗がじわっと滲みそうです。
2018年も残り少なくなった日に夜にそれは起こりました。唐突でした。夕食後のコーヒーを楽しんでいる、私に保育士をしている上の娘が、こう切り出しました。
『お父さん、ちょっと会って欲しい人がいる、もう3年半付き合っている彼がいて、そう、あの、挨拶したいって………』
不意打ちにもほどがあリます。食後のブラックコーヒーという至福の時間を味わっている最中です。(しかもYoutubeを観ながら、という)娘の言葉の咀嚼が間に合わず、しばらく放心状態が続きました。娘は突っ立ったまま私の顔を窺っています。
錆つきかけた頭の回転がようやくその意味を捉え始めたころ、なんとも筆舌し難い感情に襲われました。声が裏返りそうになるのを懸命にこらえます、多分顔が上気し始めているかもしれません。
詳しいことは知らされなかったですが、薄々そういう彼がいることはわかっておりましたが、いざとなると、こうも動揺するのですね。
「あっ、うん、わかった」と口にしたと思うのですが、変な汗が滲んできてそれどころではありません。
年齢を重ねると、大したことでは驚かなくなってきます。起こる事象のほとんどを体験しているからでしょうか。月日の経つのが早いと感じるのもその理屈と聞いたことがあります。
そういった意味からすると、この時の感情は半世紀生以上の人生において初めて、味わう気持ちです。
気がつけば、その彼と会う日も決まっていました。年が明け新しい時代がスタートしました。どうなるのでしょうね。家族を持たない人(または子供に女の子)を持たない人では味わえない貴重な体験をさせていただきました。この時、家族を持って良かったと思いました。
さて、当日はどんな格好をすればいいのやら。