断捨離破断
「片付けようとしたけど、やはり無理でした」もうすぐ80歳を迎えるTさんはため息混じりに呟きました。けど意外にサバサバした表情で3秒後には笑みがこぼれました。
ご主人に先立たれ一人暮らしのマンションの6F。センスよく観葉植物の置かれたベランダから視界の上半分は夏空が広がり熱気を含んだ風が有り余る部屋を抜けていきます。明らかにこの年代の方々の中では裕福な方でしょう。調度品もワンクラス上なのはこの手のモノに疎い私でもなんとなくわかります。ただ、ただなんだかんだと物が多い………。
「今でこそ不自由なく食べれて好きなことして暮らせるけど、子供の頃はとにかくひもじかった、いつもお腹をすかせていた、お弁当を持っておけなかったので水を飲んだりして過ごした、何も持っていなかった、鉛筆は手のひらより短くいつも同じ服、なんとかマシなモノを着れるのははお正月だけ。その反動ですね、捨てられない、もったいなくて。懸命に働いてなんとかここまできて、手に入れたモノたちまだまだ使えるので捨てられないです。」
Tさん、誰にも迷惑をかけていないからこのままでイイじゃないですか、ただただ足元が危ないので、特に床の片付けだけはしっかりおこなってください、幸い部屋が余りまくっているのでしっかり収納しましょう。
自分の部屋はなかったけれど、食べることと特別モノには不自由なく育った私がとやかく言うことはありませんがとりあえず仕分けから始めたらいかがですか。使わないモノは寝室の隣の部屋、使うモノはリビングの隣とここから始めましょう。断捨離自体がビジネスなので煽られずマイペースでいきましょう。
しかし住まいに余裕があってよかったです。^^