一人で楽しむ術を知らないと
病室の入り口からベッドで横たわる義父が目に入りました。両手にボクシングのグローブのようなモノをつけられています。後から聞いた話によると点滴の注射針を勝手に抜かないための処置だそうです。 ふうう、しかしアレですね、こういう姿になろうとは。おまけに認知症も若干進んだみたいです。世話してくれる看護師さんに暴言、少し手が出ることも。暴言の中身も要は全て人のせいにしているのです。人としての尊厳も何もないと感じました。手のつけられたグローブは、看護師さんにとっては防具の意味もあるようです。自分にはとても看護師という仕事はできないな、とおもいました。感謝しかありません。
85歳、軽い認知症、自転車でフラフラ出かけひっくり返って救急車で運ばれました。自転車はどこに乗り捨ててきたのか記憶はないそうです。
感じたこと
①外趣味とインドア趣味を持たないとダメ
義父は、寺社仏閣巡りが趣味であちこちと出かけておりましたが、インドアの趣味がありません。
外趣味関係の本を少し眺める程度です。図書館に通ってそのあたりを深掘りするような楽しみ&囲碁
将棋、絵画、そういう嗜好があればまだよかったのですが、残念ながらそうではありません。
②他の人と交流する
寺社仏閣巡りもサークル等に入ることもなく、たんたんと単独行動です。「人に気を使うのがイヤ」
この思考は我儘への布石です。
③放浪癖が出る
認知症と判断されても外を歩きまわっていた時の習性で家でジッとしていられない。
この年齢で骨折です。リハビリ用病院に転院しましたが車椅子になるかもしれません。イライラして暴言がエスカレートするかもです。
最近、身内、知り合いの関係なく子供を見つめる視線が熱くなっているのを自覚しています。通勤途中の車の中から、並んで通学する小学生を見かけると見守っていたい衝動に駆られます。無邪気な小学生時代が恋しいです。野球しか頭になかったです。
この心理は、老いゆくモノに将来の自分を投影し、その結果としてくる恐怖からの逃れるための心理だそうです。とにかく大事なのは今を全力で生き抜くことです。
アシックスという黒船
平均して月に1度ある現場訪問時に必要な安全靴を新調しました。自社工場内での現場作業従事者なら経費で落ちますが、私は営業畑ですので自腹です。モノを選ぶ上で今話題、業界内でのトピックスとでもいうべき評判のアシックスの安全靴にしました。
安全靴業界内の黒船的存在です。データー改ざん問題で話題の大手ユーザー等の工場内での現場作業は黒い重い昔ながらの安全靴がまだほとんどです。しかしスポーツブランドがプロデュースしている安全靴はいわゆる設備業及び配送業に関わる方で自腹で手に入れる方等の間ではここのところ伝染病のごとく拡散しています。値段は企業内で支給されるものの2倍から3倍しますがモノが違います。機能には雲泥の差があります。
現場企業でも余裕がある職場で、どうせ税金に持っていかれるなら、と一括購入される場合も少なくなってきています。
アシックスを筆頭にPuma,そしてMIZUNOもこの分野に進出し始め、気にかけるようになって2年ほどでしょうか。個人的にはアシックス推しです。デザインが違います。Run分野での高機能シューズ探究で日本人の足型を知り尽くしております。ベルクロムテープの粘着力の進化を確かめたくて紐タイプは今回見送りました。本日おろしたてです、まだアタリがついていないので多少のゴツゴツ感は拒めませんが、明らかにこれまで使用していた安全靴とは履きごごちが別世界です。高機能メッシュが効いているのが体感できます。
黒船の来襲で従来の専門メーカーがどう対処していくのか、手に入れたコイツの経年劣化を楽しみながら見守りたいと思いました。分野が違ってもメーカーというカテゴリーの括りでは私も同種です。生存できる場所を求めてあがくすべをみていたいです。それは人生後半の生き方にも通底している気がするのです。
[アシックスワーキング] asicsworking 安全靴 作業靴 ウィンジョブCP 102 FCP102 4201(ブルー/ホワイト/26.0)
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向田邦子さんの16:00
ノーベル文学賞 カズオ・イシグロ…本屋さんでよく見かけますが手に取ったことはありません。一度だけチラ見しましたが執事がどうのこうの….とかの文字を記憶している程度です。
日が暮れるのが日ごとに早まってきています。週初め若いヤツを連れて顧客を訪問しました。16:00アポの予定がミーテイングが長引きそうとのことで少し待たされました。ビル街の隙間を縫って長く伸びた陽がフロント前のウェイテングスペースに届きます。ロビーのガラス越しに見える通りを近辺のビジネスマンらしきグループが先を急ぐように歩き去っていきます。こうしているとまだ駆け出しの営業マンだったころにも同じようなシーンがあったことを思い出しました。あの時は私が今隣にいる若いヤツと同じくらいの年齢で、上司は今の私より若干年上でした。かってのそのときと同じような場面の展開になんだか不思議な気分のまま隣でメールをチェックしている若いモンに聞いてみました。
「午後4時って昼か夜かどちらだと思う?」脈略のない質問にスマホの画面から上げた顔には❓マークが見て取れました。
『はあ?、う~ん夏なら昼で今時から冬は夜ですかね』
「ピンポン!(←死語?^^;.)正解…というのか、そんな感じかな」
『でも、今時の午後4時くらいになるとなんとなくもう帰りたくなりますね~夏だと真昼間なのに』
そうそうあのときの自分もそう感じたのです。特にその頃は北陸地方に出張でよく伺っていました。
日本海側の晩秋の夕暮れって取り残されたような寂しさの境地なのです。まだ若かった私でさえもなんともいえない人恋しさに襲われ、誰でもいいから話しかけたくなったのを覚えています。
それからというもの、晩秋から冬にかけての時刻にして16:00から17:00頃までのウラさみしい感情をビシッと表現できないものかと色々模索しておりました。お酒の席でもそういう話題を振ったりしておりました。
“だから、人恋しい~”のではないの?”
「イヤイヤだからその心模様を気の利いた比喩でうまいこと表現したモノないかな、ママ(このヒト、わかっとらんな…)」当時、荒川区西日暮里にあった独身寮の裏の寂れたスナックで土曜の夜はそういう会話が繰り広げられていたことが懐かしいです。
そうこうするうちに営業の配置替えがあり北陸担当から外れてしまい、なんとなく日常に埋没していきました。そんなあるとき大阪出張を兼ねて実家に帰省した折のことです。自宅のリビングのテーブルに置かれた1冊の本に目がいきました。「ほ〜向田邦子、飛行機事故で亡くなった人やな」それは1冊のシナリオ集でした。向田邦子のドラマ好きの母が買ってきたものでしょう。寝転がってパラパラめくっているうちに、えええええええええ!!!思わず正座しそうな勢いで起き上がってしまいました。視線が金縛りにでもあったように凍りついてしまいました。 「これやん、スゲェ〜、へえ〜」
♬〜探しものをやめたとき、見つかることもよくある話しで〜♬
まさに晩秋の夕闇が駆け足で忍び寄る時刻の心情の表現、こうありました。
『夕暮時というのが嫌いだった。昼間の虚勢と夜の居直りのちょうどまん中で妙に人を弱気にさせる〜(以下省略)』【向田邦子「冬の運動会」新潮文庫より引用】
「昼間の虚勢と夜の居直りのちょうどまん中で…………」セリフを覚えの悪い大根役者のように何十回も繰り返しました。ママ、これなんですよ、村上春樹どころの騒ぎじゃないって!!
それから人生初の特定作家の全集とやらを買い揃えるまでに時間はかかりませんでした。
10日ほど前新聞広告に「オール讀物10月号」の広告が掲載されておりました。なんと向田邦子さん特集!!
この方不慮の事故で亡くなられて30年以上経つのにこうして特集が組まれたり、リスペクトする業界人が絶えないって、中々こういう作家っていないのではないでしょうか。
商談が始まる前に若いモンにそっと言いました。
「今時のこの時間帯のアポはやめよう、弱気になる…」
ロンドンまで14,000円
ゆうパックの特大箱(370円)に約8kgの荷物を詰めロンドンまでの運賃14,000円 それぞれの税関で2日、渡航は2日、約1週間の旅です。9月末より半年間のロンドン留学に旅だった次女への荷物を送りました。
キッチリと紐をかけて持参したのですが徒労でした。すでに郵便局の段階で結構詳細に調べられました。中身は妻が準備しました。化粧品、部屋着に外出着、ドライヤー、あとお菓子にカップ麺等です。スキンクリーム、化粧水、この類の一部がアウト、送れません。成分にアルコールが入っているのですが、それを調べるためのお客様相談室のTELナンバーが記載されていないためです。その他 卵や肉類がダメらしいので、それらを原料に使用しているクッキーやカップラーメンもチエックされました。これらが、あちらの税関でハネられることもあるし、OKの場合もあるとのこと、日本とは異なり調べるスタッフによっても基準のズレがあるそうです。
細かいモノなど現地調達すれば、と思うのですが……。物価の高いロンドンでの留学です。本人も日々の生活を節約しないとやっていけません。我が家もそう余裕があるわけありません。でも今回留学にかかった費用は半分以上負担してやりました。留学は本人のたっての希望で、そのためバイトも2つ掛け持ちし(このための留年が心配でしたがなんとかクリア)、戦後の苦学生のように日々節約していただけに用立ててやりました。
これにはウラがあります。我が家は車にほとんどお金がかかりません。暗黙の了解で社用車を使えます。ライトバンではなく、れっきとした乗用車です。リース車ですので5年おきに新車になります。当然事故には細心の注意が必要ですが、近郊の野暮用ががほとんどですのでリスクは少ないです。まあ、収入がそう多くない(恐ろしいほど平均的)なので会社の計らいと都合よく解釈しております。
しかしこのゆうパック特大箱の運賃、妻は高いといいます。単に耳に聞こえる14,000円という数字のみで判断しているフシがあります。時差が8時間ある裏側の国まで1週間で無事(?)8kgの荷物を届けてくれるのです、私は妥当だと感じます。
“夕方の冷え込みが凄まじいから、マフラー送って”娘からLINEがきましたー
それくらいそっちで買えよ~と言いたいところです。妻はもう少し送るモノがたまってから、と返したようです。14,000円、妥当とは思いましたが、さすかに回が重なると負担が大きいです^^;
いつの時代も秘すれば花
このブログとやらでそれなりの収入を得ようとすると…仕事以外の時間の大半を割かなければならないのではないでしょうか。世の関心を呼びかつオリジナルのコンテンツがたんまり貯蔵されており、それなりの文章能力があり、ネタ探しから、惹きつけるための構成、アクセスの解析やら、なんやら…それらが好きでたまらない、そういう人しか生き残れないでしょうね。
このはてなブログ内にて何十人か読者登録させていただいておりますが、この半年で今現在更新が途絶えてしまった方が2~3人ほど見受けられます。別のブログに引っ越しされたのか、wordpressにて新境地を開拓されたのか、わかりません。どこかで新たな地で続けていてくれればいいのですが。
収益化???私の場合は、ハナからそういう思考回路は持ち合わせておりません。無料ブログのままですので気楽なものです。他の趣味に没頭しており余暇の時間の大半を割きたいのです。人生の残時間から逆算してもその方がこれからの人生に張りが出そう(現に出ている)なのです。更新も無理しません。字数もサッと目を通していただけるよう1000~1800字の範疇に納めています。何人かの方に読んでいただけるだけで満足の器が満たされています。
僭越ながら去って行かれた方についての特徴を思うまま記してみると、しばらく(3~4ヶ月)続けられてから何やら共通のマイナス要素が見受けられました。
それは……全てをさらけ出しすぎる、天下の宝刀も抜きまくり状態なのです。つまり無理している状態です。もう、いっぱいイッパイ、コレ、続きません。息切れ状態です。謎めいた部分を少しでも残して欲しいです。“このコンテンツ、この文章、このインプット量、何やって食ってる人だろう、いつ書いているんだろう”
その点書評、映画、商品紹介ブログは待っていればネタが漂ってきてくれますがライバルが多すぎるのではないのでしょうか。よほど人と違った視点を持った上でのモノの見方か、ホラーオタクや特定の役者や監督に特化したブログ、もしくは書き手がそこそこ名の知れた方でないと、“オマエのオススメがなんぼのもんやねん!!!”になってしまいます。また相談ブログも相談されるほど書き手が著名でないと話になりません。
この人と付き合っていれば、まだまだ何かが出てきそう〜、そういう期待感を抱かせながら、キチッと満たすところは満たす。記事の質を落とさず更新が途切れない(毎日更新という凄まじい方もいらっしゃいます)..........コレ、出来る方はビジネスでも成功される方だということを信じて疑いません。日本的会社というシステムに合うか合わないかは別にして……。
せっかくのご縁で読んでいただいたり、読ませいただいているので長く続けていきたいものです。
“お前がエラそうなこと、言うな!!!!💢”
”ごもっともです。”^^;
高齢者ほど道楽が必要です
そのお方はご近所さんです。
男
後期高齢者
要介護1
アル中寸前
口は達者で評論家気取り
議論は持ち込むが人の話は聞かない
声が甲高く耳につく
そのくせ外では借りてきた猫
妻は要介護3
かすり傷程度でも自分で救急車を呼ぶ
よくある被害者妄想で周囲はてんてこ舞い
止むを得ず娘が年金を管理しているが
騙し取られたと思い込んでいる。
昨日のことはすべて忘れている
覚えておいて欲しくないことは覚えている
このおじいさん、健康なのです。足は弱っているが、杖をついて歩きまわりお金を貸してくれ、と周囲に無心する。ヘルパーさんが1日3回来てくれ、身の回りの世話を
してくれ、食事もすべて準備してくれています。他に周4日デイサービスが迎えに来てくれて施設で入浴まで介助してくれています。ここまでは年金の範囲で賄えているとのことです。
だから、正直お金を使うところがありません。ただ本人は好きなモノもたまには買いたいとのこと。
その好きなモノとは、まあ酒です。アルコールも若干は家に常備していますが、本人にようるとそれでは全く足りない、とのことです。酒が元で2回ほどパトカーも出動しておりますが、本人にとっては忘却の彼方です。
夫婦二人で施設に入るという選択肢もありますが、それは最低でも夫婦2人で月30万必要とのこと。自宅は持ち家ですが、そこまでの経済的余裕はない、とのことです。私と同年代の娘さんも困り果てております。「父が亡くなっても、涙ひとつも出ないですよ」
このおじいさんを遠くから第三者として見ていると、一体健康寿命とは何歳におけるどういう状態までをいうのか、と疑問に思ってしまうのです。もっとも愛すべき身内にそういう言葉を言わせてしまうって…。
私も何回かこのおじいさんとコミュケーションをとったことがありますが、過去の自慢話と将来への不満の堂々巡りに終始してしまい会話が先に進みません。
そんな中で気づいたことがあります。
このおじいさん、趣味がない。熱中できるモノがない。ゲートボールにも出かけない。将棋も指さない、カラオケもダメ、詩吟も唸らない、短歌俳句の類も嗜まない。読書の習慣もなし。時間があるからのみたいこれの悪循環のようです。娘さんに確認したところ確かに若い頃から、いろんなモノに手を出しお金も使ったが継続したモノが皆無とのこと。今この瞬間(とき)に熱量を注ぎ込めるモノを何ひとつ持っておられないのです。
身内や知り合いの同年代の方を思い起こすに、何かしろ道楽を持っておられる方がほとんどです。特に継続しているモノがなくとも、つい最近操作の簡単なタブレットにハマりメールを覚え夢中になっている方もいます。
時が経つのも飯を食うのも忘れるほど、必死になれるモノをそのお歳からでも遅くないです、何か見つけるべきでは、と娘さんにアドバイスしました。
このおじいさん身体が丈夫という最高の財産を持たれています。まあ、いろいろありますがとにかく心臓や内蔵関係は全く悪いところなし、今でその酒量なら若い頃はどんなんだったの~?と叫びたいほどの鉄の肝臓の持ち主です。元気があるならなんでもできるのに……。“道楽”自分が楽しむ道なのに。
自分で気づいて欲しいのですが、なかなか思うようにいかないのが人の世だとおもいました。