場外乱闘、もあり。

50代中小企業崖っぷちのオヤジです。2015年体調を崩し長期入院。カラダもギリギリ。土俵際、俵に足の親指1本からの逆転を目指します!!

向田邦子さんの16:00

 

ノーベル文学賞 カズオ・イシグロ…本屋さんでよく見かけますが手に取ったことはありません。一度だけチラ見しましたが執事がどうのこうの….とかの文字を記憶している程度です。

日が暮れるのが日ごとに早まってきています。週初め若いヤツを連れて顧客を訪問しました。16:00アポの予定がミーテイングが長引きそうとのことで少し待たされました。ビル街の隙間を縫って長く伸びた陽がフロント前のウェイテングスペースに届きます。ロビーのガラス越しに見える通りを近辺のビジネスマンらしきグループが先を急ぐように歩き去っていきます。こうしているとまだ駆け出しの営業マンだったころにも同じようなシーンがあったことを思い出しました。あの時は私が今隣にいる若いヤツと同じくらいの年齢で、上司は今の私より若干年上でした。かってのそのときと同じような場面の展開になんだか不思議な気分のまま隣でメールをチェックしている若いモンに聞いてみました。
「午後4時って昼か夜かどちらだと思う?」脈略のない質問にスマホの画面から上げた顔には❓マークが見て取れました。
『はあ?、う~ん夏なら昼で今時から冬は夜ですかね』
「ピンポン!(←死語?^^;.)正解…というのか、そんな感じかな」
『でも、今時の午後4時くらいになるとなんとなくもう帰りたくなりますね~夏だと真昼間なのに』
そうそうあのときの自分もそう感じたのです。特にその頃は北陸地方に出張でよく伺っていました。
日本海側の晩秋の夕暮れって取り残されたような寂しさの境地なのです。まだ若かった私でさえもなんともいえない人恋しさに襲われ、誰でもいいから話しかけたくなったのを覚えています。

 

それからというもの、晩秋から冬にかけての時刻にして16:00から17:00頃までのウラさみしい感情をビシッと表現できないものかと色々模索しておりました。お酒の席でもそういう話題を振ったりしておりました。

 

“だから、人恋しい~”のではないの?”
「イヤイヤだからその心模様を気の利いた比喩でうまいこと表現したモノないかな、ママ(このヒト、わかっとらんな…)」当時、荒川区西日暮里にあった独身寮の裏の寂れたスナックで土曜の夜はそういう会話が繰り広げられていたことが懐かしいです。

 

そうこうするうちに営業の配置替えがあり北陸担当から外れてしまい、なんとなく日常に埋没していきました。そんなあるとき大阪出張を兼ねて実家に帰省した折のことです。自宅のリビングのテーブルに置かれた1冊の本に目がいきました。「ほ〜向田邦子、飛行機事故で亡くなった人やな」それは1冊のシナリオ集でした。向田邦子のドラマ好きの母が買ってきたものでしょう。寝転がってパラパラめくっているうちに、えええええええええ!!!思わず正座しそうな勢いで起き上がってしまいました。視線が金縛りにでもあったように凍りついてしまいました。 「これやん、スゲェ〜、へえ〜」
♬〜探しものをやめたとき、見つかることもよくある話しで〜♬

まさに晩秋の夕闇が駆け足で忍び寄る時刻の心情の表現、こうありました。

『夕暮時というのが嫌いだった。昼間の虚勢と夜の居直りのちょうどまん中で妙に人を弱気にさせる〜(以下省略)』【向田邦子冬の運動会新潮文庫より引用】

 

「昼間の虚勢と夜の居直りのちょうどまん中で…………」セリフを覚えの悪い大根役者のように何十回も繰り返しました。ママ、これなんですよ、村上春樹どころの騒ぎじゃないって!!

 

それから人生初の特定作家の全集とやらを買い揃えるまでに時間はかかりませんでした。

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10日ほど前新聞広告に「オール讀物10月号」の広告が掲載されておりました。なんと向田邦子さん特集!!
この方不慮の事故で亡くなられて30年以上経つのにこうして特集が組まれたり、リスペクトする業界人が絶えないって、中々こういう作家っていないのではないでしょうか。

商談が始まる前に若いモンにそっと言いました。

「今時のこの時間帯のアポはやめよう、弱気になる…」

 

オール讀物 2017年 10 月号

オール讀物 2017年 10 月号

 

 

 

 

ロンドンまで14,000円

ゆうパックの特大箱(370円)に約8kgの荷物を詰めロンドンまでの運賃14,000円 それぞれの税関で2日、渡航は2日、約1週間の旅です。9月末より半年間のロンドン留学に旅だった次女への荷物を送りました。

キッチリと紐をかけて持参したのですが徒労でした。すでに郵便局の段階で結構詳細に調べられました。中身は妻が準備しました。化粧品、部屋着に外出着、ドライヤー、あとお菓子にカップ麺等です。スキンクリーム、化粧水、この類の一部がアウト、送れません。成分にアルコールが入っているのですが、それを調べるためのお客様相談室のTELナンバーが記載されていないためです。その他 卵や肉類がダメらしいので、それらを原料に使用しているクッキーやカップラーメンもチエックされました。これらが、あちらの税関でハネられることもあるし、OKの場合もあるとのこと、日本とは異なり調べるスタッフによっても基準のズレがあるそうです。

 

細かいモノなど現地調達すれば、と思うのですが……。物価の高いロンドンでの留学です。本人も日々の生活を節約しないとやっていけません。我が家もそう余裕があるわけありません。でも今回留学にかかった費用は半分以上負担してやりました。留学は本人のたっての希望で、そのためバイトも2つ掛け持ちし(このための留年が心配でしたがなんとかクリア)、戦後の苦学生のように日々節約していただけに用立ててやりました。

これにはウラがあります。我が家は車にほとんどお金がかかりません。暗黙の了解で社用車を使えます。ライトバンではなく、れっきとした乗用車です。リース車ですので5年おきに新車になります。当然事故には細心の注意が必要ですが、近郊の野暮用ががほとんどですのでリスクは少ないです。まあ、収入がそう多くない(恐ろしいほど平均的)なので会社の計らいと都合よく解釈しております。

 

しかしこのゆうパック特大箱の運賃、妻は高いといいます。単に耳に聞こえる14,000円という数字のみで判断しているフシがあります。時差が8時間ある裏側の国まで1週間で無事(?)8kgの荷物を届けてくれるのです、私は妥当だと感じます。

 

“夕方の冷え込みが凄まじいから、マフラー送って”娘からLINEがきましたー
それくらいそっちで買えよ~と言いたいところです。妻はもう少し送るモノがたまってから、と返したようです。14,000円、妥当とは思いましたが、さすかに回が重なると負担が大きいです^^;

 

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いつの時代も秘すれば花

 

このブログとやらでそれなりの収入を得ようとすると…仕事以外の時間の大半を割かなければならないのではないでしょうか。世の関心を呼びかつオリジナルのコンテンツがたんまり貯蔵されており、それなりの文章能力があり、ネタ探しから、惹きつけるための構成、アクセスの解析やら、なんやら…それらが好きでたまらない、そういう人しか生き残れないでしょうね。

このはてなブログ内にて何十人か読者登録させていただいておりますが、この半年で今現在更新が途絶えてしまった方が2~3人ほど見受けられます。別のブログに引っ越しされたのか、wordpressにて新境地を開拓されたのか、わかりません。どこかで新たな地で続けていてくれればいいのですが。


収益化???私の場合は、ハナからそういう思考回路は持ち合わせておりません。無料ブログのままですので気楽なものです。他の趣味に没頭しており余暇の時間の大半を割きたいのです。人生の残時間から逆算してもその方がこれからの人生に張りが出そう(現に出ている)なのです。更新も無理しません。字数もサッと目を通していただけるよう1000~1800字の範疇に納めています。何人かの方に読んでいただけるだけで満足の器が満たされています。


僭越ながら去って行かれた方についての特徴を思うまま記してみると、しばらく(3~4ヶ月)続けられてから何やら共通のマイナス要素が見受けられました。

それは……全てをさらけ出しすぎる、天下の宝刀も抜きまくり状態なのです。つまり無理している状態です。もう、いっぱいイッパイ、コレ、続きません。息切れ状態です。謎めいた部分を少しでも残して欲しいです。“このコンテンツ、この文章、このインプット量、何やって食ってる人だろう、いつ書いているんだろう”

その点書評、映画、商品紹介ブログは待っていればネタが漂ってきてくれますがライバルが多すぎるのではないのでしょうか。よほど人と違った視点を持った上でのモノの見方か、ホラーオタクや特定の役者や監督に特化したブログ、もしくは書き手がそこそこ名の知れた方でないと、“オマエのオススメがなんぼのもんやねん!!!”になってしまいます。また相談ブログも相談されるほど書き手が著名でないと話になりません。

 

この人と付き合っていれば、まだまだ何かが出てきそう〜、そういう期待感を抱かせながら、キチッと満たすところは満たす。記事の質を落とさず更新が途切れない(毎日更新という凄まじい方もいらっしゃいます)..........コレ、出来る方はビジネスでも成功される方だということを信じて疑いません。日本的会社というシステムに合うか合わないかは別にして……。


せっかくのご縁で読んでいただいたり、読ませいただいているので長く続けていきたいものです。
“お前がエラそうなこと、言うな!!!!💢”

”ごもっともです。”^^;

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高齢者ほど道楽が必要です

そのお方はご近所さんです。


後期高齢者
要介護1
アル中寸前
口は達者で評論家気取り
議論は持ち込むが人の話は聞かない
声が甲高く耳につく
そのくせ外では借りてきた猫
妻は要介護3
かすり傷程度でも自分で救急車を呼ぶ
よくある被害者妄想で周囲はてんてこ舞い
止むを得ず娘が年金を管理しているが
騙し取られたと思い込んでいる。
昨日のことはすべて忘れている
覚えておいて欲しくないことは覚えている


このおじいさん、健康なのです。足は弱っているが、杖をついて歩きまわりお金を貸してくれ、と周囲に無心する。ヘルパーさんが1日3回来てくれ、身の回りの世話を
してくれ、食事もすべて準備してくれています。他に周4日デイサービスが迎えに来てくれて施設で入浴まで介助してくれています。ここまでは年金の範囲で賄えているとのことです。

だから、正直お金を使うところがありません。ただ本人は好きなモノもたまには買いたいとのこと。

 

その好きなモノとは、まあ酒です。アルコールも若干は家に常備していますが、本人にようるとそれでは全く足りない、とのことです。酒が元で2回ほどパトカーも出動しておりますが、本人にとっては忘却の彼方です。
夫婦二人で施設に入るという選択肢もありますが、それは最低でも夫婦2人で月30万必要とのこと。自宅は持ち家ですが、そこまでの経済的余裕はない、とのことです。私と同年代の娘さんも困り果てております。「父が亡くなっても、涙ひとつも出ないですよ」

このおじいさんを遠くから第三者として見ていると、一体健康寿命とは何歳におけるどういう状態までをいうのか、と疑問に思ってしまうのです。もっとも愛すべき身内にそういう言葉を言わせてしまうって…。

私も何回かこのおじいさんとコミュケーションをとったことがありますが、過去の自慢話と将来への不満の堂々巡りに終始してしまい会話が先に進みません。

 

そんな中で気づいたことがあります。

 

このおじいさん、趣味がない。熱中できるモノがない。ゲートボールにも出かけない。将棋も指さない、カラオケもダメ、詩吟も唸らない、短歌俳句の類も嗜まない。読書の習慣もなし。時間があるからのみたいこれの悪循環のようです。娘さんに確認したところ確かに若い頃から、いろんなモノに手を出しお金も使ったが継続したモノが皆無とのこと。今この瞬間(とき)に熱量を注ぎ込めるモノを何ひとつ持っておられないのです。


身内や知り合いの同年代の方を思い起こすに、何かしろ道楽を持っておられる方がほとんどです。特に継続しているモノがなくとも、つい最近操作の簡単なタブレットにハマりメールを覚え夢中になっている方もいます。

時が経つのも飯を食うのも忘れるほど、必死になれるモノをそのお歳からでも遅くないです、何か見つけるべきでは、と娘さんにアドバイスしました。

このおじいさん身体が丈夫という最高の財産を持たれています。まあ、いろいろありますがとにかく心臓や内蔵関係は全く悪いところなし、今でその酒量なら若い頃はどんなんだったの~?と叫びたいほどの鉄の肝臓の持ち主です。元気があるならなんでもできるのに……。“道楽”自分が楽しむ道なのに。

自分で気づいて欲しいのですが、なかなか思うようにいかないのが人の世だとおもいました。

 

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2017中洲JAZZ♬探報記

 

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 2017年9月8日(金)有休を取りAM8:00前ののぞみで2ヶ月ぶりの博多へ。同じ新大阪駅からの移動でも業務と遊びじゃ、こうも気分は違うモノなのですね、やはり心は二重人格なのです。新神戸を過ぎた頃から車窓の景色も緑が多くなります。九州から上ってきた2ヶ月前は青々と猛々しかった田園風景ですが、この時期なるとほのかに黄色がさし、こうべも垂れ気味です。なごみます、田んぼのある国に生まれて良かった。

11:00前に博多着、天神には地下鉄、いや100円バスで移動。地下鉄は200円、半額で済みます。ここから西鉄に乗り換え福岡時代ギターの師匠(といっても半年ほどしかつけなかったですが)内山覚氏の自宅へ。中洲JAZZ♬には、2日間共出演される先生から、1時間のレッスンを……受けるつもりが久しぶりのためギター談義に話が…気がつけば30分近くが経過していました! とにかく何かやろう!
ってことで、KeyEでブルースセッション……のはずが、私のアドリブが全く決まりません。ほとんど指版が把握ができていないのです。Keyが変わるとまだ右往左往です(TT)縦と横の指板上の音♬度数を条件反射の如く出てくるように体に叩き込まないと、と猛省しました。

 

そのあと天神に戻り、本日の宿である東横イン西中洲のチェックイン、おっフロントのUくん、久しぶり!!なんとなく自分の街に帰ってきた気分、いいなあこういうの。荷物を置いてブラブラ那珂川沿いを彷徨いながら中洲に近づいていきます。

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今夜展開される音の饗宴を前にあちこちで警備員さんがミーティングされていました。ご苦労サマです。


17:00からBLUEステージで2組ほど後ろで大人見してから、師匠のステージのためブルックリンパーラーに。ここだけはインストアLIVEのため有料です。しかし、なんとチャージなし!!さすが財布に優しい中洲JAZZ♬結局ドリンク代だけの500円払って店内へ。覚師匠のステージが近づくにつれ店内の密集度がえらいことに。

Satoru NEO Quartet のっけからグルーヴ全開!!圧倒されました、30分のステージではとても足りない!!!!

 

JAZZギタリスト内山覚氏 魔術師!!

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写真、動画取り放題! SNS揚げ放題とアナウンスあり。

 

上気したまま同じ門下生のMさんと合流、今夜2番目のお楽しみ、birdのステージへ コレ、さっきまでいたBLUEステージです。今年は移動間が少なくラクです。

再び打ちのめされました、birdワールドに。

 

そのまま本日Blueステージの“トリ”バンドに期待しましたが、私たち的にはイマイチだったので2曲♬で群衆から脱出、軽くアルコールを求めてオープンカフェに。
やはり音楽は出す音(ヴォーカルなら声質)♬とオリジナリティですね。Satoru NEO Quartet今後の躍進に期待大デス。同じ嗜好同士、秋の気配満点の心地よい夜風に会話が弾みます。BGMはどこかのステージから漏れてくる音♬音♬音♬これこそ中洲JAZZの醍醐味でしょう。


明日仕事が早いからというMさんと別れ、私は師匠がセッションを行うという JAZZBAR JumpHOUSEへ。ちなみにここはフリーではありません、念のため。

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ここではイケメンピアノマン橋本芳氏とのデュオです。同じナンバーでもアレンジ次第で異なる表情を見せる覚師匠の紡ぐ音に酔いながら博多の夜は更けていきました。

この中洲JAZZ♬ 無料です。プロが揃ってこれだけの規模でフリーって、非常に珍しい、誇れるイベントだと思います。今回は残念ながら1日しか観ることができませんでした。来年は是非とも2日間楽しみたいものです。

 

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中洲JAZZ♬を楽しむために
①ステージは、10ヶ所あります。観たいアーティストは被ってしまいますが、優先順位をつけ極力ステージ間の移動は少なくすることです。夜が更けると共に人がゾッ〜と繰り出し移動だけで疲れますし、最後尾から人の頭頂部越しにつま先立ちで、これまたアーティストの頭だけを観ることになります。
②1ヶ所に居座る場合は、野外フェスの必需品、簡易イスの用意とトイレの確認を。
③3ヶ月前には近隣のホテルは隙間なく埋まります。

 

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公式パンフ、なんと100円

 

来年は、記念すべき第10回記念!!!!今からホテル予約したい!!!!

不動産自体に欠陥はありません……しかし

 

『建物自体に欠陥はないのだけどね、環境抜群だし…何よりカミさんも気に入って購入に踏み切ったのだから.』中古物件ですが、郊外に一戸建ての家を購入されたTさん(元上司)、ウッドデッキは自作しようと張り切っていたのですが、なんだか浮かない顔でした。『いや~参った、まさか~!』普段温厚なTさんが吠えたので、女子スタッフのYさんが驚いたほどです。


現在Tさんは、奥さんの地元である隣の県に越されたので時効と言っていいでしょう。以下こういうケースもある、ということで記してみます。

 

築10年のその一戸建ては、綺麗にリフォームされなんの問題もありませんでした、昨今よく耳にする地盤沈下もナシ、ご近所もいい人ばかり……と思われました。そう、最初は。
向かって右隣のお宅は子供がいない同年代のご夫婦で、仲睦まじく揃ってテニスを楽しまれるなど、今風のサバけたご家庭です。下手なドラマの設定のように小型犬を飼っておられます。問題…って犬の鳴き声がうるさい?いや、そうではありません。フレンチブル(小型犬ではないのか?)だったと思いますが、テリア系と異なりあまり吠えない犬種でよく躾けられており、その心配はないようです。糞の始末もキチッとされる模範的な飼い主です。

問題は、“犬の吠え声”ではなくて、なんとご夫婦の喘ぎ声(!?)だったのです。
実はこのご夫婦、毎回浴室で愛し合われるらしいのです。窓は全開です。真冬でも。最初は、事件性のある誰かの悲鳴か、サカリのついた猫の雄叫びかと思ったらしいです。隣のお宅とはベタ付けではなく、植垣を挟んで若干のスペースはありますが、なんせ聞かせたい意思ありありの窓フルオープンです。位置的にはその変態夫婦宅の浴室隣が、Tさん宅のキッチンの一部にあたるため、最も被害が大きいのがTさん宅なのです。その次がその奥にあたるご家庭、そしての左隣新婚さん(!)です。晩婚だったTさんは、子供さんもまだ小さくその点はまだ安心です。ただ週1~2回PM9:00~10:00の間にワザとらしいすすり哭きがこだますると何気にTVの音量を大きくしたり、その間締め切って子供さんと入浴したりと、なぜ自宅でここまで気を使わなければならないのか、と徐々に怒りがフツフツと込み上げてきました。

上述した被害(?)を被っている他の2軒のご家庭と相談の結果、意を決して自己談判に伺ったそうです。その際は、『迷惑かけているなら謝ります、ただ全くそんなつもりはない、今後改めます』と夫婦共々深く頭を下げられるのそうです。いい大人にこう丁寧に謝罪されるともうこれ以上追い込めません。
『うちは小さいとはいえ、子供がいるのです今後気をつけてください』一応ご近所でもあることなのでそう言って踵を返すのが精一杯だったです。

しかし、コトが治るのは2週ほどらしいです。この手の二人、ゾーンに入るとダメなのかもしれません、快感への隷属と化し理性も何もかも飛んでしまうのではないでしょうか。こういう時どのように対処すればいいのでしょうか。マンションなら管理人さんというクッションが入るので言いやすい。まあこれが“マンションは管理を買え”ということなのでしょうが。戸建の場合の相談相手は?被害のお宅以外は逆恨み等を恐れてあまり深入りしたくないのが本音ではないか、と察します。


聞いているこちらも、『こういう場合はどうしたら….』と我がコトのように考え込んでしまいましたが、Tさんによると、それから数ヶ月後、サラッとあっけないほどにコトが治ったようです。知らぬ間に声がしなくなった、とのことなのです。元々近所で出会った時は愛想よく挨拶されていたようですが、それもそのままでなんの変化もありません。被害が小さかった向かい宅の奥さんによると、休みの日となると毎回朝早く車で出かけ、夜も遅いみたいとのことでした。何か別の新たなプレイを知ったのでないか、というのがもっぱらの噂です。


あれから10数年、繰り返しますがTさんはもうその場所には住んでいません。噂によるとまだあの変態夫婦は、その場所で生活しているようです。そして左隣の新婚さんは、今はなんと4人の子供さんに恵まれているとか。少しはお隣に刺激されたのでしょうか。^^;v

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